遠隔地自動点呼とは?長距離・宿泊運行での使い方やメリットを分かりやすく解説

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遠隔地自動点呼とは?長距離・宿泊運行での使い方やメリットを分かりやすく解説

遠隔地自動点呼

「また新しい点呼か…。もう追いつけないよ(トホホ)」

そんなふうに感じている方、いるんじゃないでしょうか。
実際、この記事を書いている私もその一人です(笑)

遠隔地自動点呼を簡単に言うと、営業所や車庫に戻っていないドライバーが、車内や宿泊先などで自動点呼を行う仕組みのこと。

たとえば、長距離・宿泊運行では、営業所から離れた場所で業務を開始・終了することがあります。

これまでは電話点呼を行ったり、運行によっては途中で「中間点呼」が必要になったりと、ドライバーだけでなく運行管理者側にも負担がかかっていました。

そこで新たな選択肢となるのが、遠隔地自動点呼です。

対応する機器を使用することで、車内や宿泊先などでも業務前・業務後の自動点呼を行えるようになります。

そのため、これまで長距離・宿泊運行で行っていた点呼の一部を自動化したり、中間点呼を含めた点呼体制を見直したりできる可能性があります

点呼のDX化が進む今、新たな選択肢として登場した「遠隔地自動点呼」。

この記事では、遠隔地自動点呼とは何かをはじめ、仕組みや導入メリット、遠隔点呼との違い、中間点呼との関係、車内・宿泊先で実施するために必要な機器や条件まで、分かりやすく解説します。

長距離運行における点呼業務の効率化や、運行管理者の負担軽減を検討している方は、ぜひ参考にしてください。


そもそも遠隔地自動点呼とは?

そもそも遠隔地自動点呼とは?

まずは、
「遠隔地自動点呼って、結局なに?」
というところから整理していきましょう。


実は、「遠隔地自動点呼」という名前は、国が定めた正式な点呼の名称ではありません


制度上は「業務前自動点呼」「業務後自動点呼」にあたり、その中でも営業所や車庫から離れた場所で行う自動点呼を、分かりやすく「遠隔地自動点呼」などと呼んでいます。


……名前だけ見ると、また新しい種類の点呼が増えたように感じますが、まったく別物というわけではないんですね。


通常の自動点呼では、国土交通省の認定を受けた機器・システムを使い、運行管理者等があらかじめ登録した点呼予定に沿って、ドライバーが機器の案内に従って点呼を進めます。

そして、遠隔地での使用に対応した認定機器であれば、

・運行に使用している事業用車内
・宿泊施設
・待合所
・その他、運行に関係するこれらに類する場所

などでも、業務前・業務後の自動点呼を行うことができます。

大きなポイントが、通常時であれば点呼の最中に運行管理者等がリアルタイムで立ち会う必要がないこと。


つまり遠隔地自動点呼とは、

営業所に戻れない長距離・宿泊運行でも、自動点呼ができるようになった仕組み

と考えると、かなり分かりやすいと思います。
ただし、

「やった~!!じゃあ出先ならどこでもできるんだ!」

……というわけではありません。

使用できる場所や機器には条件があり、撮影環境通信環境異常が発生したときの連絡体制なども整えておく必要があります。

……まあ、ラクできる話には、それなりに守るべきルールも付いてきますわな。
世の中、そんなに甘くない(泣)

このあたりは少しややこしいので、後ほど詳しく解説します。


遠隔点呼と遠隔地自動点呼、何が違う?

ここまで読んで、
そもそも、遠隔地でやるなら“遠隔点呼”と同じじゃないの?
と思った方もいるかもしれません。

名前も「遠隔点呼」と「遠隔地自動点呼」。

……ややこしいですよね(笑)

この2つの違いを簡単に言うと、

遠隔点呼 離れた場所にいる運行管理者等と話しながら行う
遠隔地自動点呼 ドライバーが機器の案内に沿って行う

という違いです。

◆遠隔点呼は「ビデオ通話型」

遠隔点呼では、運行管理者等とドライバーが映像・音声でつながり、リアルタイムでやり取りしながら点呼を行います。

たとえば、ドライバーが宿泊先にいて、運行管理者が営業所にいる場合。

お互いに画面越しで顔や様子を確認しながら、

「体調は大丈夫ですか?」
「アルコールチェックをお願いします」

といった形で点呼を進めます。

離れた場所にはいますが、人と人で点呼するという点は対面点呼に近いイメージです。

◆遠隔地自動点呼は「セルフ型」

一方、遠隔地自動点呼では、通常時は運行管理者等とリアルタイムで会話する必要はありません。

ドライバー自身が機器の案内に沿って、本人確認やアルコール測定、体調確認などを行います
運行管理者等は、あらかじめ点呼予定や必要な指示を登録し、実施後に点呼結果を確認します。

イメージとしては、

〇遠隔点呼 = 店員さんとやり取りするレジ

〇遠隔地自動点呼 = セルフレジ

と考えると分かりやすいかもしれません。

項目 遠隔点呼 遠隔地自動点呼
点呼の進め方 管理者と会話しながら進める 機器の案内に沿って進める
管理者のリアルタイム対応 必要 通常時は不要
映像・音声 管理者とリアルタイムでやり取り 機器で記録・確認
車内・宿泊先での実施 条件を満たせば可能 対応する認定機器なら可能



つまり、どちらも「営業所から離れた場所で点呼できる」という点は似ていますが、一番大きな違いは点呼をしているその時間に、運行管理者等が対応する必要があるかという点です。


遠隔地自動点呼で長距離・宿泊運行はどう変わる?3つのメリットを解説

ここまでで、遠隔地自動点呼がどのような仕組みなのか、遠隔点呼とは何が違うのかを見てきました。

では、実際に導入すると何が変わるのでしょうか。

特に長距離・宿泊運行では、次の3つのメリットが考えられます。

1. 中間点呼を含めた点呼体制を見直せる
2. 早朝・深夜の対応や“点呼待ち”を減らせる
3. 点呼の手順・記録をそろえやすい

◆中間点呼を含めた点呼体制を見直せる

長距離・宿泊運行を行っている会社であれば、「中間点呼」はなじみのある言葉かもしれません。

中間点呼とは、業務前・業務後の点呼のいずれも、対面または遠隔点呼・自動点呼などの「対面と同等の方法」で行えない業務において、運行途中に少なくとも1回行う点呼のことです。

長距離・宿泊運行などで必要になることが多く、アルコールや疾病・疲労・睡眠不足などを確認します。

運行の組み方によっては、

「朝に点呼して、仕事の途中でも点呼して、終わったらまた点呼……」

なんてことも。

安全のために必要とはいえ、ドライバーと運行管理者が時間を合わせて対応する必要があるため、長距離・宿泊運行が多い会社ほど負担になりやすい点があります。

そこで選択肢になるのが遠隔地自動点呼です。

遠隔地での使用に対応した認定機器を使えば、車内や宿泊先などでも業務前・業務後の自動点呼を行えます。

業務前・業務後の点呼を自動点呼で適切に実施できる場合、その運行では中間点呼が不要となり、あわせて運行指示書の作成も不要になります。

ただし、すべての長距離運行で自動的に中間点呼がなくなるわけではありません。

自動点呼を実施しない運行や、機器故障などで別の点呼方法をとる場合は、運行内容に応じて中間点呼が必要になることがありますので、ご注意を。

◆早朝・深夜の対応や“点呼待ち”を減らせる

長距離運行では、

「朝5時に出発するので、点呼も朝5時」
「到着が深夜1時なので、業務後点呼も深夜1時」

というケースもあります。

ドライバーが動く時間に合わせて、運行管理者も対応する。
これが毎日のこととなると、なかなか大変ですよね。

さらに、複数のドライバーの点呼時間が重なると話は別です。

「この時間帯は5人のドライバーが点呼するので、運行管理者のAさんも5人に分身してください!」

……なんてことができれば苦労しません(笑)

実際にはAさんは1人しかいないので、

「電話したけど、ほかのドライバーと点呼中」
「折り返しを待っている」

といった“点呼待ち”が発生することもあります。

遠隔地自動点呼なら、異常のない通常時はドライバーが機器の案内に沿って点呼を進めるため、運行管理者が一人ひとりの点呼にリアルタイムで対応する場面を減らせます。

特に業務後、

「もう仕事は終わっているのに、点呼だけ終わらない……」

という時間を減らせるのは、ドライバー側にとってもうれしいポイントです。

もちろん、運行管理者が不要になるわけではありません

点呼予定の登録や結果の確認、飲酒や体調不良など異常があった場合の判断は、これまでどおり人が行います。
言ってしまえば、

「毎回の確認は機器に手伝ってもらい、人は判断が必要なところに集中する」

というイメージです。

Aさんを5人には増やせませんが、Aさんが5人分の点呼に付きっきりになる場面は減らせる。
これが、自動点呼ならではのメリットですね。

◆点呼の手順・記録をそろえやすい

もうひとつは、点呼の手順や記録をそろえやすくなることです。

人が行う以上、

「Aさんはこの順番で確認する」
「忙しいから記録はあとでまとめて」

など、点呼の記録等に多少の違いが出ることがあります。

……むしろ全て同じ形で出来ていたら、それこそ分身説濃厚です(笑)。

自動点呼では、機器の案内に沿って決められた項目を確認していくため、ドライバーによって確認項目や手順が大きく変わりにくくなります

本人確認やアルコール測定、体調確認などの結果もシステムに記録されるため、点呼簿への転記や記入漏れを減らしやすい点もメリットです。


遠隔地自動点呼はどこでできる?必要な機器も解説

ここまで読むと、

「車内やホテルでできるなら、スマホとアルコール検知器を持っていけばできるのでは?」

と思うかもしれません。
残念ながら、そこまでお手軽ではありません(笑)

遠隔地自動点呼を行うには、どこで実施するのかどの機器を使うのかなど、いくつか確認しておくことがあります。

まずは基本となる「場所」と「機器」から見ていきましょう。

◆車内や宿泊施設などで実施できる

遠隔地での使用に対応した認定機器であれば、営業所や車庫だけでなく、

・運行に使用する事業用自動車内
・待合所
・宿泊施設
・その他、これらに類する場所


などでも、業務前・業務後の自動点呼を行うことができます。

長距離・宿泊運行なら、

「目的地近くのホテル」
「安全に停車しているトラックの車内」

といった場面がイメージしやすいでしょう。

ただし、

「出先なら好きなところでやってOK!」

というわけではありません。

どこで点呼を実施するのかをあらかじめ決め、その場所で点呼していることを確認できるようにしておく必要があります。

自由度は上がりますが、完全フリーダムというわけではないんですね。

◆「遠隔地でも使える」認定機器を選ぶ

注意したいのが、「自動点呼の認定機器なら、すべて車内やホテルで使える」わけではないことです。

認定機器には、

営業所・車庫で使用できるもの」と、
車内・待合所・宿泊施設などでも使用できるもの

があります。

そのため、遠隔地自動点呼を行いたい場合は、「車内・待合所・宿泊施設などでも使用できるもの」に対応している製品を選ぶ必要があります。

さらに、業務前自動点呼と業務後自動点呼でも認定内容が分かれているため、
「朝も夜も使いたい」
という場合は、両方に対応しているかもチェックしておきましょう。

ちなみに、遠隔地自動点呼に対応する機器としては、

株式会社デンソーソリューション「BSS(Business Support System)
東海電子株式会社「e点呼セルフ Type モバイル
株式会社ナブアシスト「点呼+モバイル版
ロジスティード株式会社「SSCV(Smart & Safety & Connected & Vehicle) Safety」などがあります。

全てタイガーで取り扱っていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください!

◆アルコール検知器なども必要

もちろん遠隔地でも、点呼で確認する内容は基本的に変わりません。

使用する自動点呼の種類に応じて、

・アルコール検知器
・本人確認用の機能・機器
・体温・血圧などの測定機器
・点呼の様子を撮影する機器


などが必要です。

また、 業務前自動点呼では、体温・血圧の測定も必要になります。

現在使用しているアルコール検知器などをそのまま使えるとは限らないため、導入前に対応機器を確認しておきましょう。


ホテル・車内で遠隔地自動点呼を行うときのポイント

遠隔地自動点呼で特に注意したいのが、「遠隔地でどうやって点呼環境をつくるのか」という点です。

営業所であれば、あらかじめカメラや機器を設置しておくことができます。
しかし長距離運行では、ホテルが毎回同じとは限りませんし、トラックの車内で実施するケースもあります。

「ホテルにカメラなんて付けられないけど、どうするの?」

ここ、気になりますよね。

◆スマホに顔が映ればOK、ではない

まず押さえておきたいのが、撮影範囲です。

自動点呼では、なりすましやアルコール検知器の不正使用などを防ぐため、点呼をしている様子を確認できるようにしておく必要があります。

国土交通省では、自動点呼機器を操作している様子や、アルコール検知器を使用しているドライバーの全身、その周囲などを、点呼中または終了後に明瞭に確認できることを求めています。

例えば、点呼用のスマートフォンを手に持って操作していると、そのスマホではドライバー本人の全身や、アルコール測定を行っている様子まで映せないことがあります。

その場合は、別のスマートフォンやタブレット、Webカメラなどを使用する方法も考えられます。

重要なのは、カメラを何台用意したかではなく、「点呼をしている一連の様子を確認できるか」です。

要するに、

「顔だけドーン!」

ではダメな場合もある、と覚えておくと分かりやすいと思います。

◆ホテルでは持ち運べるカメラで対応

では、宿泊先のホテルではどうするのでしょうか。

フロントで、

「すみません、自動点呼するので部屋に監視カメラ付けてもいいですか?」

……と交渉する必要はありません(笑)

必要な範囲を明瞭に確認できれば、固定された監視カメラに限らず、スマートフォンやノートPCのWebカメラなどを使うことができます

例えばホテルの客室なら、スマートフォンやタブレットをスタンドなどに固定して、

「ドライバーの全身」
「アルコール測定の様子」
「その周囲」

が映るようにする方法が考えられます。

ホテル側に特別な設備を用意してもらうというより、ドライバーが持ち運べる撮影環境を用意するというイメージですね。

使用する製品や撮影方法によっては、自動点呼用の端末だけで条件を満たせる場合もあれば、もう1台撮影用の機器が必要になる場合もあります。

ここは製品によって運用方法も変わるため、導入時に確認しておきたいポイントです。

※参考:国土交通省「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」第7条「自動点呼の実施に係る留意事項」

◆車内でも考え方は同じ

トラックの車内で実施する場合も、基本的な考え方は変わりません。

スマートフォンなどを固定し、本人が点呼している様子や周囲を確認できるようにします。
条件を満たせる場合には、ドライブレコーダーなどを利用する方法もあります。

ただ、車内はホテルの客室よりスペースが限られます。
導入前に一度、

「この位置に置いたら、ちゃんと必要な範囲まで映る?」

と実際の車内で確認しておくと安心です。

いざ運用を始めてから、

「肝心なところが全然映ってない!」

……となるのは避けたいところです(笑)

◆点呼した場所も記録する

カメラとあわせて覚えておきたいのが、点呼した場所の記録です。

遠隔地自動点呼では、

「〇〇ホテル」
「〇〇県〇〇市 車内」

など、どこで点呼を実施したのか分かるように記録します。

ここで、

「ホテルが変わるたびに、毎回全部入力するの?」

と思う方もいるかもしれません。

対応するシステムによっては、運行管理者等が事前に登録した実施予定場所をドライバーが確認したり、候補から選択したりする方法もあります。

細かな入力方法は製品によって異なるため、GPSだけで終わりではなく、具体的な点呼場所も記録するという点を押さえておけばよいでしょう。

◆通信環境や、使えなかったときの対応も確認

そして、遠隔地で使う以上、通信環境も重要です。

「山間部で圏外だった」
「ホテルの通信環境が不安定だった」

ということもあります。

長距離運行では毎回同じ場所で点呼するとは限らないため、実際に利用するエリアで通信できるかも確認しておくことをオススメします。

あわせて、

通信できなかったらどうするのか
機器が故障したら誰へ連絡するのか

なども社内で決めておきましょう。

◆自動点呼を始めるには届出も必要

必要な機器もそろった。
カメラもOK。
通信もOK。

「よし、明日から遠隔地自動点呼!」

……とできたら楽なのですが、最後に手続きがあります。

自動点呼を開始する場合は、原則として実施予定日の10日前までに、実施営業所を管轄する運輸支局等へ届出を行います

また、異常時や機器故障時の対応など、社内での運用方法もあらかじめ決めておく必要があります。

このあたりは遠隔地自動点呼だけの話ではなく、自動点呼そのものを導入するときに必要になる内容です。

「そもそも自動点呼を始めるには何をすればいい?」
「異常が出たらどうなるの?」

といった基本的な導入方法については、以前の記事で詳しく解説しています。

遠隔地自動点呼も業務前・業務後自動点呼のひとつなので、基本的な導入方法はこちらもあわせてご覧ください。


まとめ

遠隔地自動点呼は、特に長距離・宿泊運行が多い会社にとって、点呼体制を見直す選択肢のひとつです。

また、2026年度は全日本トラック協会の「自動点呼機器導入促進助成事業」も実施されています。

「便利そうだけど、費用がなあ……」

という会社にとっては、こうした制度もチェックしておきたいところですね。

また、株式会社タイガーでは自動点呼や遠隔地での点呼に対応する製品を取り扱っています。

「自社の運行でも使える?」
「どの製品が合う?」

など、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください!

点呼の仕組みはどんどん変わっていますが、全部を一気に覚える必要はありません。

正直、この記事を書いている私も、まだまだ追いかけている途中です(笑)

まずは、自社で使えそうなところからひとつずつ確認していきましょう。

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