その日の取材は、予期せぬアクシデントから始まりました。約束当日にシステム障害が発生、無事復旧はしたものの、恐る恐る訪問することに・・・
「取材に来てトラブルが起きとるなんて、もう笑うしかないですよ」
そう言って朗らかに笑う担当者の姿に、私はこの会社と当社の深い関係性を直感しました。(とはいえ、ユーザーの皆様、その節は大変失礼いたしました・・・)
実は「トラックメイトPro」シリーズが誕生して20年。オキマストランスポートは、その黎明期から今日まで約20年間にわたり、共に歴史を刻んできた最古参のパートナーです。
今回の取材は、そんな記念すべき節目にお伺いした特別編。
広島の地で、地域の物流を支え続けるベテラン運送会社の目に、私たちのシステムはどう映ってきたのか。
移り変わりの激しいIT業界において、一つのシステムを20年使い続けるのは極めて稀なことです。そこには、単なる機能の優劣を超えた、現場の体温が通い合う信頼の物語がありました。
「運転日報入力は1分もかからない」──現場流・合理化の極意

トラックメイトProの作業において、最も負担となるのが日報入力です。トラックメイトでは運転日報の内容をもとに請求書作成、経費入力、乗務員の明細を管理する仕組みを採用しています。
そのため、どうしてもこの日報入力が負担になりがちです。しかし、同社での入力作業は驚くほどスピーディーです。
「(日報入力は)1分かかりませんよ。数字入力だけでできますから」
この驚異的な速さを支えているのは、長年蓄積された「マスターデータ」の活用です。荷主や車両、ルートが番号一つで呼び出せる仕組みが、迷いを打ち消しています。
特筆すべきは、この効率化が「システムの高機能さ」だけで実現しているのではない点です。同社では、あえて細かな時間管理や労働時間の入力を厳密に突き詰めすぎず、現場が無理なく運用できる「あそび」を許容しています。
システムに人間が合わせるのではなく、自分たちの身の丈に合った使い方を貫く。この絶妙な「抜きどころ」を知るユーザーの知恵こそが、20年という長寿運用の秘訣と言えるでしょう。
給与連動で「漏れ」を許さない、防衛的経営の基盤

オキマストランスポートがトラックメイトProに寄せる最大の信頼は、データの「完全なリンク」にあります。
運転日報として入力された乗務員の情報は、そのまま応研の給与大臣と連携して、給与計算へと流れていきます。
「給料と請求がちゃんとリンクしとるけ、漏れがない」
この言葉には、事務担当者の交代や法改正といった変化の中でも、会社としての精度を維持し続けるという強い意志が込められています。
情報の転記ミスや請求漏れは、時に経営の根幹を揺るがしかねません。システムが業務の「背骨」として機能することで、誰が担当しても同じクオリティで成果物が出せる。
これこそが、規制が厳格化する現代における「守りのDX」の核心です。
プレカット材からサボダムまで——現場を襲う「書類」の波

オキマストランスポートが運ぶ荷物は多岐にわたります。住宅用のプレカット材、ホームセンター向けの肥料、そして土砂災害の修復に使われる「サボダム(砂防ダム)」のパネルといったコンクリート二次製品など、地域のインフラを支える重要物資ばかりです。
しかし、こうした現場の誇りとは裏腹に、近年は規制の強化が事務負担を増大させています。
「縛りが多くなりましたよね。大変せんと(しなくて)いけんことがいっぱい増えました」
現場から漏れるこの切実な言葉は、業界全体の声を代弁しています。
公正取引委員会の監視の目や標準的な運賃の議論など、コンプライアンス遵守のために作成すべき書類は増える一方です。
もはや、アナログな手作業だけでこれら全ての規制に対応するのは、限界に達しているのが現実です。
デジタル化の先にある「清々しい」人間関係
タイガー広島支店サポート担当
20年という歳月を支えてきたのは、コードで書かれたプログラムだけではありません。オキマストランスポートの担当者が、当社のサポート担当者に向ける眼差しは非常に温かなものです。
「サポートの方はすごい気持ちの良いキャラクター。清々しい感じがするな」
当社のサポート担当者は経験豊富なスタッフですが、システムの導入期間から見れば、かつての担当者からバトンを受け取った存在です。
ITという無機質な世界であっても、その根底にあるのは「誰がサポートしてくれるのか」という人間同士の信頼関係です。前任の支店長時代から始まり、現在のサポート担当者へと引き継がれてきた「人の力」が、20年の歴史というタスキをつないできたのです。
未来への布石。原価管理という「攻め」の領域へ
現状の運用に満足することなく、同社はさらなる高みを見据えています。現在活用している売上や給与計算の枠を超え、今後は「原価計算」まで踏み込みたいという意欲を持っています。
しかし、日々の業務で「いっぱいいっぱい」なのも現場の本音です。そこで当社から提案させていただいたのが、一件ずつの経費入力ではなく、月単位でまとめて数値を入力する「一括入力」の手法です。
これは、事務負担を最小限に抑えながら、車両ごとの収支報告を可視化するための現実的なワークスタイル変革の第一歩となります。
また、昨今の「電子帳簿保存法」への対応として、ラクスの「楽楽明細」との連携などもご紹介させていただきました。

20年続く「変わらない軸」を持ちつつ、時代の要請に合わせてしなやかに変化していく姿勢が、そこにはありました。
あなたの会社を支える「軸」をトラックメイトProとともに
物流業界は今、かつてない荒波の中にあります。
しかし、今回お話を伺ったオキマストランスポートの担当者様が示してくれたのは、どれほど時代が変わっても、経営の根幹にあるべきものは「現場が迷わず、正確に動ける仕組み」であるという真理でした。
システムは魔法の杖ではありません。それは、日々の事務作業の「漏れ」を防ぎ、法規制という逆風から会社を守り、そして次の10年、20年の経営判断を支えるための「信頼できるパートナー(トラックメイトPro)」なのです。
20年前の導入時を知る人がいなくなっても、トラックメイトProとそこに流れるデータ、そして当社との信頼関係は、会社の確かな資産として残り続けます。
あなたの会社の10年後、20年後を支える「業務の軸」は、今どこにありますか?
ぜひ、お困りであれば当社までお問合せください。
最後に、本取材にご協力いただきましたオキマストランスポート様に、心より感謝申し上げます。
オキマストランスポート様はトラックメイトPro導入事例にも掲載予定です。
