
~事故防止・省エネ・IT化支援でコスト削減~
2025年、トラック運送業界に向けたさまざまな補助金制度が用意されています。
「事故を防ぎたい」 「燃料コストを抑えたい」 「IT化で効率を上げたい」——
そんな事業者さんに向けて、目的別に活用できる補助制度を分かりやすくご紹介します!
事故防止対策支援推進事業
1. 制度の概要
事故防止対策支援推進事業に係る補助金(運行管理の高度化支援)は、国土交通省が実施するもので、自動車運送事業者や運行管理者がデジタル式運行記録計(ドライブレコーダー一体型を含む)によって記録された運行データを活用し、運転者に対して具体的な安全運転指導を行うことで、交通事故の防止と輸送の安全性の向上を図ることを目的としています。
2. 対象者
以下の中小事業者が対象です(車両10台未満・デジタコ未導入の事業者)
- 一般貨物自動車運送事業者
- 特定貨物自動車運送事業者
- 補助対象機器を貸与するリース会社(貸し出し先が自動車運送事業者であること)
※機器は国土交通省の認定品に限ります。
3. 受付期間
2025年5月8日(木)~7月31日(木)17:00 ※先着順、予算がなくなり次第終了
最新の事故防止対策支援推進事業に係る補助金(運行管理の高度化支援)情報は公式HPをご確認ください。
4. 補助金の内容(対象条件・対象システムなど)
〇補助率:取得費用の1/2
上限額(一例):
機器種別 | 車載器 | 事務所用機器 |
---|---|---|
デジタコ | 30,000円 | 100,000円 |
ドラレコ一体型 | 40,000円 | 130,000円 |
通信機能付き一体型 | 100,000円 | 130,000円 |
1事業者あたり最大80万円(通信機能付きは120万円)まで補助可能 ※2回以上の申請は除く
! 注意点 !
他の国の補助金と重複して受け取ることはできません。
トラック輸送省エネ化推進事業
1. 制度の概要
経済産業省(資源エネルギー庁)と国土交通省が連携し、燃費性能の高いトラックや省エネ機器の導入を支援する制度です。
運行効率化や積載率向上なども支援対象です。詳細な要件や対象機器は年度ごとに異なるため、公式情報をご確認ください。
2. 対象者
- 貨物自動車運送事業者
- 第二種貨物利用運送事業者
- 自家用トラック事業者
3. 予算額
35.5億円
4. 受付期間
1次公募:2025年6月中旬~(予定)
2次公募:2025年7月中旬~(予定)
最新のトラック輸送省エネ化推進事業情報は公式スケジュールをご確認ください。
5. 補助金の内容(例:運行効率化システム)
〇補助率:対象機器の購入費用の1/2
対象システム | 内容 | 補助率 |
---|---|---|
車両動態管理 | トラックの位置や状態を把握 | 費用の1/2以内(定額) |
予約受付 | 荷主からの予約をデジタル化 | 同上 |
配車計画 | 効率的なルート提案 | 同上 |
AI・IoT連携 | 上記システムと連携 | 同上 |
導入条件
「車両動態管理システム」(いわゆるデジタコ)を導入する場合は、予約受付システムや配車計画システムと連携できることが必須条件です(すでに使っているシステムとの連携でもOKです)。
また、使う車載器は、燃料の使用量や積載率(荷物の積み具合)などを把握できる、性能の高いものに限られます。
【おすすめの対象品】
自動点呼機器導入支援事業
1. 制度の概要
この制度は、全日本トラック協会が実施しているもので、中小のトラック運送会社が、運転手の点呼を自動で行う機械(=自動点呼機器)を導入する際に、その費用の一部を補助する制度です。
この仕組みにより、運行管理の効率化や安全性の向上、ドライバーの働きやすさ改善、人手不足の対策などを支援します。
2. 対象者
- 各都道府県トラック協会の会員である中小トラック運送事業者
※中小企業とは、以下のいずれかに該当する事業者です
- 資本金または出資金が3億円以下の会社
- 常時使用する従業員が300人以下の会社または個人事業主
3. 受付期間
各都道府県トラック協会により異なりますので、 所属する協会をご確認ください。
4. 補助金の内容(対象条件・対象システムなど)
- 機器本体の購入費用
- 周辺機器(カメラなど)
- セットアップ(初期設定)費用
- 契約期間中のサービス利用料
〇補助金額:
会社の条件 | 補助上限額 | 対象台数 |
---|---|---|
一般の会員企業 | 最大 10万円 | 1台まで |
Gマーク(安全性優良事業所)保有 | 最大 20万円 | 最大2台まで |
導入条件
補助対象となる自動点呼機器は国土交通省の認定を受けたもので、令和6年4月1日以降に契約または利用開始したものに限られます。
【おすすめの対象品】
IT導入補助金2025
1. 制度の概要
業務ソフトやクラウドサービスなどのITツール導入に対して、経済産業省が実施する「IT導入補助金2025」では、国が費用の一部を補助します。
この制度は、運送業の業務効率化やインボイス制度への対応、セキュリティ対策の強化など、さまざまな目的に幅広く活用できます。
2. 対象者
- 中小企業・小規模事業者(運送業含む)
- 個人事業主(フリーランス含む)
3. 受付期間
通常枠・インボイス枠の締切日
- 第1次締切 2025年5月12日(月)17:00
- 第2次締切 2025年6月16日(月)17:00
- 第3次締切 2025年7月18日(金)17:00
締切日は支援枠により異なりますので、詳しくは公式HPをご確認ください。
4. 補助金の内容(対象条件・対象システムなど)
〇通常枠
目的 | 業務の効率化・自動化・デジタル化を幅広く支援 |
---|---|
補助対象 | 会計、在庫、顧客管理、勤怠などの業務ソフト |
補助額 | 5万円~450万円 |
補助率 | 1/2(条件付きで2/3) |
特徴 | 業務プロセスの数(1~3 or 4つ以上)で金額が変わる |
〇インボイス枠(インボイス対応類型)
目的 | インボイス制度(2023年10月開始)への対応支援 |
---|---|
補助対象 | 会計・請求書・受発注ソフト、レジ、PC、タブレットなど |
補助額(ソフト) | 最大350万円(部分ごとに補助率が異なる) |
補助率(ソフト) | 50万円以下:最大3/4(小規模は4/5) 50万円超:2/3 |
補助額(ハード) | PC・タブレット:上限10万円(補助率1/2) レジ等:上限20万円(補助率1/2) |
特徴 | 小規模事業者にとても手厚い補助内容 |
◎IT導入補助金2025 通常枠とインボイス枠の比較
比較項目 | 通常枠 | インボイス枠 |
---|---|---|
主な目的 | 業務効率化 | インボイス対応 |
補助対象 | ソフトのみ | ソフト+一部ハード |
最大補助額 | 最大450万円 | 最大350万円(ハード除く) |
補助率 | 1/2~2/3 | 最大4/5(条件あり) |
小規模向け | 一般的 | より手厚い |
【対象製品】
IT支援事業者がITツールとして登録している製品(主にソフトウェア全般)
当社のトラックメイトも対象となっています。
! 注意点 !
補助対象となるITツールは、事前に登録されたものに限られます。
まとめ
2025年の運送業界には、安全・省エネ・DXを促進する補助制度が数多く用意されています。自社の課題に合った補助金を選び、事前に申請準備を整えることで、大きなコスト削減や業務効率化につなげることが可能です。
制度の最新情報や申請の詳細は、各補助金の公式サイトや専門窓口にて必ずご確認ください。