DXがうまくいかないたった1つの理由!成功のカギはDXピラミッドの構築にあり
DXという言葉が叫ばれて久しいですが、みなさまの会社ではDXがうまくいっているでしょうか?
実は、日本企業において9割の企業が「DXが達成できていない、DXによる成果が十分でない」のです。(2022年 経済産業省のレポートより)
つまり、今からDXに取り組み成功することが出来れば、1割に入ることができ、厳しくなると言われる競争社会を生き抜いていくことが出来るのです。 今回はタイガーが提唱するDXを成功させるためのフレームワークである「DXピラミッド」をご紹介していきます。
DXピラミッドの全容
まずは、DXピラミッドとはいったい何なのか、ここから紐解いていきます。冒頭でも書きましたがDXピラミッドとは、DXを成功させるためのフレームワーク(考え方)になります。これに沿って、DXを計画することにより成功へと近づくことが出来ます。
DXピラミッドは次の4つの要素からなります。それぞれの細かい内容は後述しますので、まずは全体像を捉えてください。
- 目的
- 影響(効果)
- 手段
- 計画
まず、DXを行って達成したい目的があり、その目的を達成するためにどのような影響(効果)が必要なのか、その影響(効果)を出現させるためにはどのような手段を取る必要があるのか、その手段を行うときは、どのような計画で行動するのか。
目的を頂点とし、計画を土台に配置しピラミッド型にしたものがDXピラミッドになります。次の章から個別の項目について解説していきます。
目的
まずDXをすることで何を解決したいのか、という【目的】が必要となります。ここは会社ごとに変わる部分かと思いますが、何もないとイメージしづらいと思うので、いくつか例を挙げて見ます。
- 労務管理をしたい
- 配車業務を自動化したい
例えば、こんなものが挙げられます。拍子抜けした方もいるでしょうけれど、DX失敗のあるあるの1つに、壮大な目的を掲げてしまい結局何を解決すれば良いのか迷子になってしまうケースがあります。
DXは何も壮大なことを成し遂げることだけではありません。デジタルの力を使って業務を変革することがDXの第一歩ですから地に足を付けていきましょう。
影響(効果)
ここは少し考えないといけないポイントになります。目的を達成するためには「何が必要となるのか」が当てはまってきます。
勘違いしやすい例を一つあげます。安全運転教育をしたいという目的を掲げた時に、影響(効果)の段階で必要になるのは「ドラレコ」だと思われがちですが、これは間違いです。
安全運転教育をする時に必要なのは、ドラレコが必要なのではなくドラレコによって取得が可能となる「映像を始めとしたドライバーの運転データ」になります。
極論を言えば、ドラレコを使わずに「映像を始めとしたドライバーの運転データ」が集められればそれでも良い訳です。ここに企業が工夫する余地があるとも言えます。ただ、この例の場合で言えばドラレコ(機能付きデジタコ)と考えて問題ないかと思います。
手段
最もイメージしやすいのはここだと思われます。労務管理したいのであれば、デジタコ、もしくは労務管理ソフト、安全運転教育ならドラレコ、配車業務を自動化したければ、配車ソフト、など具体的なソリューションがありますね。これが手段です。
計画
DXに取り組むにあたり、意外と忘れられがちだったり、考慮不足だったりするポイントがここです。
手段を実行するにあたり「どのようにそれを行うのか」がこの計画にあたります。さきほどの安全運転教育を再び例に出してみます。
ドラレコを活用して「映像を始めとしたドライバーの運転データ」を集める事になると思いますが、誰が・いつ・どうやって、などの影響・効果として必要になる要素を如何にして集めるのか、という部分を事前に練っておかないといけません。
さらに、その集めたデータをどのように活用して、安全運転教育を実行するのかというDXの核心についても合わせて考慮が必要です。
いざドラレコを導入して「誰がやるの」問題が発生したりするのは、DX計画の考慮不足が原因になります。新しいことを始めるのであれば、その分工数が増えるので従来の業務時間の圧縮なども検討しないといけません。つまり、こういった諸問題を含めた計画が必要になる、という訳です。
DXの失敗
まず、今回紹介したDXピラミッドの要素のどれかが欠落してもDXはうまくいきません。失敗の具体例を挙げる前に、各々が欠けた時にどうなるかを見て見ましょう。
目的の欠如
「DXをする」ということに拘るにあたり、様々なツールなどを導入してデータが貯まったもののそれで終わりになってしまうケース。そんなまさか、と思われるかもしれないですが結構ありがちなんです。
影響(効果)の欠如
目的を達成するためにはどういうデータが必要なのか、ということが十分に考慮されなかったケース。後から、あれも必要、これも必要、となり関係者がトーンダウンしていってしまい、結局目的が達成出来ないまま頓挫してしまう。これもDXの失敗でよくある話です。
手段の置き換わり
他の項目で使っていた「欠如」という表現とあえて変えましたが、手段が欠如してしまうこと自体はあまりありません。ツールや製品の導入、というわかりやすい手段になることが多いからです。ではここが不全になるのはどういうことかというと、手段が目的に据え変わってしまうことがある、ということです。
配車マンが楽になるため・誰でも同じレベルの配車を組めるようになるため、ということで、自動配車システムを導入したが、自社の特殊な状況に合わせるには配車マンが結局介在しなければならず、大して目的が達成されないまま仕方なくシステムを使っている、なんて話も耳にします。
これが、当初の目的がDXの検討段階で変わってしまい、手段が目的となった一例です。
計画の欠如
これもやってしまいがちな失敗ポイントです。新たにDXを始めるにあたっては当然人の手もかかりますし、導入するツールや製品を事務員やドライバーへ使い方を伝えることも必要になります。せっかく導入したのにドライバーが使ってくれない、みたいな話も計画部分での考慮不足だったりします。
DXを成功に導くために
DXをするにあたり、DXの全体像を従業員と共有するというのも重要なポイントです。「デジタコの作業ボタンはきちんと押して」とだけ、ドライバーに伝えても意外と忘れられがちです。
山登りに例えると、出発地点と頂上もわからない状態で、この区間はさっさと歩こう、と伝えているようなものです。到着するまで頂上が見えない山登りは結構しんどいですね。それは体力のペース配分が読めないからです。
DXの全体像を伝えて、目的のために〇〇なデータが必要になるから「デジタコのボタンを押して欲しい」と伝える事で、ドライバーの腹落ち感が段違いになります。
今回紹介したDXピラミッドを用いて、自社のDXの検討にお役立ていただければ幸いです。タイガーでもDXの手段となる製品を多数取り扱っております。DXの推進に悩まれたら右上の問い合わせボタンよりぜひお気軽にご相談ください!