点呼だヨ!朝から全員集合…しなくてもよくなりました【セミナー開催レポート】

点呼だヨ!朝から全員集合…しなくてもよくなりました【セミナー開催レポート】

2025年10月22日、「点呼だヨ!朝から全員集合…しなくてもよくなりました」というオンラインイベントを開催しました。本記事では、その内容をまとめてご紹介します。

今年4月30日に「業務前自動点呼」が制度化され、運送業界にとって大きな転換点を迎えました。そこで今回は、制度のポイントや実際の運用について理解を深めていただくため、ナブアシスト様をゲストにお招きし、解説・質疑応答に加えて視聴者参加型のクイズ企画も実施しました。

また、当社からは新製品である日常点検アプリ「スマトラ」についてもご紹介しております。 皆様の現場での業務改善や効率化に、ぜひお役立てください。

点呼 新時代到来‼~点呼+が示す「業務前自動点呼」の可能性とは~

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ナブアシスト日下様をゲストに迎えて、業務前自動点呼についてのお話をしていただきました。

運輸業界の現状:行政処分とコンプライアンス課題

運輸業界、特に貨物自動車運送事業においては、コンプライアンス遵守が経営の根幹をなす重要課題です。令和5年度の監査における違反事項の統計は、業界が直面する主要なリスク領域を明確に示しています。

違反事項トップ3(令和5年度)

  1. 指導監督違反(349件): 乗務員に対する12項目の指導や安全指導の不備。
  2. 点呼違反(255件): 点呼の未実施や記録不備。
  3. 過労防止等(237件): 改善基準告示違反など。

これらの違反は行政処分の主因となっており、中でも「点呼」は、運行の安全を確保するための最初の関門として極めて重要視されています。

項目 令和元年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度
監査実施件数 510件 398件 365件 447件 428件
行政処分件数 287件 184件 198件 168件 197件

出典:貨物自動車運送事業の行政処分等の概要(令和5年度)

点呼制度の変革:自動点呼の登場

点呼制度は、テクノロジーの進化と共に多様化しており、事業者の運用形態に応じた選択肢が提供されています。

種類 概要
対面点呼 運行管理者または補助者が対面で実施する従来の方式です。
IT点呼 Gマーク認定事業所などが、ビデオ通話を利用して遠隔地の車庫などと点呼を行う方式です。
遠隔点呼 事業所の優良性(Gマーク等)を問わず、一定の機器・施設要件を満たすことでビデオ通話による点呼が可能。事業者間での実施も制度化されています。
自動点呼 認定された機器・システムが点呼を実施。運行管理者は非常時の対応体制を確保する必要があります。

特に注目すべきは、2025年4月30日に国土交通省告示第347号によって制度化された「業務前自動点呼」です。これにより、一定の要件下で、人の介在を最小限に抑えた点呼業務が可能となりました。

ナブアシスト社「点呼+」による業務前自動点呼ソリューション

株式会社ナブアシストの「点呼+」は、ロボット版(Kebbi)、デスクトップ版、モバイル版といった多様な形態を提供し、対面から自動まで全ての点呼データを一元管理するプラットフォームです。

業務前自動点呼の要件と運用フロー

業務前自動点呼を導入するには、従来の点呼に加えて以下の要件を満たす必要があります。

体温計・血圧計の連携

  • 点呼システムと直接データ連携できる機器が必須(手動入力は不可)。
  • ドライバーごとに平常値・異常値を設定可能。設定した基準値から逸脱した場合、点呼は「中断」されます。

点呼予定の登録

  • 自動点呼実施前に、運行ごとに点呼予定(運転者名、実施日時、責任者名など)をシステムに登録する必要があります。
  • 点呼予定の使い回しは認められない。

「中断」と「中止」の重要な違い

異常発生時のシステムの挙動は、「中断」と「中止」に大別され、その後の対応が大きく異なります。

  • 中止: アルコール検知や日常点検での異常が報告された場合に適用されます。
    • 点呼はその場で即時終了となります。
    • システム上での再開はできず、点呼予定を再登録するところからやり直す必要があります。
  • 中断: 血圧や体温の測定結果が設定した異常値を示した場合に適用されます。
    • 点呼プロセスは一時停止し、運行管理者に通知が送られます。/li>
    • 管理者はドライバーの状態を確認し、運行の可否を判断した上で、システムを承認または否認。

「点呼+」の優れた機能

  • 中断時のスムーズな運用: 血圧・体温異常で点呼が「中断」された場合でも、システムはロックされず、後続のドライバーは点呼を継続できます。中断されたドライバーの最終確認を待つ必要がなく、朝の混雑時などにおける点呼の停滞を防ぎます。
  • 再測定の猶予: 測定に失敗した場合や異常値が出た場合、1回に限り再測定が可能です。一度の失敗で即座に「中止」や管理者の判断を仰ぐ必要がなく、運用上の柔軟性が高い設計となっています。

点呼+の導入パターンと事例

「点呼+」は、事業者の特性に合わせて柔軟な組み合わせが可能です。

  • Case① 24時間稼働: 業務前・業務後ともに自動点呼を導入し、管理者の工数を大幅に削減。
  • Case② 複数拠点: 本社では自動点呼、営業所では遠隔点呼を実施し、本社から一元管理することで人的リソースを最適化。
  • Case③ 日帰り運行メイン: 早朝の管理者負担を軽減するため業務前を自動点呼に、帰庫時は対面でドライバーケアを実施。
  • Case④ 高齢ドライバー多: 健康面の配慮から業務前は対面で実施し、業務後は自動点呼で管理者の負担を軽減という運用。

導入事例:一般貨物自動車運送業(従業員524名、14拠点)

  • 導入形態: 業務前は遠隔点呼、業務後は自動点呼という運用を実施
  • 課題: 拠点ごとの管理者配置人数の差、帰庫集中時の点呼待ち、現場の自動点呼への不安。
  • 導入効果:
    • 遠隔点呼による管理者シフトの柔軟化。
    • 段階的な導入(業務後から自動化)により、現場の不安を払拭。
    • 点呼の平準化により点呼待ちが解消。
    • 点呼記録の自動作成による誤記載防止と、映像記録によるドライバーの安全意識向上。

自動点呼質問コーナー&業務前自動点呼クイズ

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質問コーナー

Q1. 点呼予定を簡単にできるように対応しますかね?

A1. できる限り簡単に登録できるよう対応しています。一度に多数のドライバーを登録できるほか、Excel・CSVでの取込にも対応しています。また、1か月先などの予定も事前に入力が可能です。

   
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Q2. 点呼記録簿はシンプルな構成でしょうか。業務前、業務後の点呼にかかる所要時間はどのくらいでしょうか。システムが動かなくなった時の対処方法と所要時間を知りたいです。

A2. 点呼記録簿は各都道府県トラック協会のフォーマットに準拠しており、必要最低限の重要項目を網羅しています。

【点呼所要時間】
業務前点呼:約5分(血圧測定に時間がかかるため)
業務後点呼:約2~3分(内容によってはさらに短縮可能)

【システム障害】
システムが動かなくなる要因として最も多いのはネットワーク障害や停電です。この場合は手書きへの切り替え→後からシステム入力で対応可能で、法令違反にはなりません。ただし、トラブル時に対面点呼へ切り替えられる体制を事前に整えておく必要があります。

Q3. 当支店は引越業務もあります。行きの車輛と帰りの車輛が入れ替わる場合があります。また、行きのドライバーと帰りのドライバーが替わったりする場合があります。

A3. この場合は同一車輛にて出庫点呼するので、1車輛に対して2名エントリーされる状態になります。どちらも運転する場合は、同じ車両番号でそれぞれ点呼記録に残ります。

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クイズコーナー

クイズのタイトル画像

ここからは皆さんも一緒にクイズにご回答ください。セミナー当日の参加者の結果も載せちゃいます!

Q1. ドライバーが業務前に自宅で業務前自動点呼システムを利用して点呼を行ったが場所の制約はないので問題ない。○か×か

A1. 「○」認定システムを使用すれば、営業所以外でもドライバーの所在場所で実施可能です。

▼参加者の回答▼

Q1回答
Q2. 業務前自動点呼の機器が故障した場合、正しい対応はどれでしょうか?
  1. 点呼を省略して運行を開始する
  2. 従来通りの対面・電話、または認められている点呼方法(IT,遠隔)による点呼を実施する
  3. ドライバー自身が自己申告で健康状態を記録して代用する

A2. 「2」機器トラブル時は、従来の対面点呼または電話点呼、認められている点呼方法(IT,遠隔)に切り替えて実施する必要があります。点呼を省略した運行は認められません。

  

▼参加者の回答▼

Q2回答
Q3. 業務前自動点呼で取得した記録はどのように扱う必要があるでしょうか?
  1. 点呼終了後すぐに削除してもよい
  2. 紙に手書きで転記して残せばよい
  3. 認定システムで保存し、帳簿と同様に一定期間(1年間)保存する

A3. 「3」記録はシステム上で保存し、従来の点呼記録簿と同様に1年間保存義務があります。

▼参加者の回答▼

Q3回答
Q4. 業務前自動点呼を開始するには運輸支局への届出は10日前までにすればよい?「○」か「×」か?

A4. 「○」10日前まで運輸支局へ届出にすれば問題ありません。

▼参加者の回答▼

Q4回答
Q5. 業務前自動点呼中にアルコール検知をした場合の対応はどちらが正しいか?
  1. 中断
  2. 中止

A5. 「2 中止」アルコール検知をした場合中止になります。

▼参加者の回答▼

Q5回答
Q6. 業務前自動点呼中に乗務員が体調不良発覚した場合の対応はどちらが正しいか?
  1. 中断
  2. 中止

A6. 「1 中断」体調不良の場合は点呼を中断し、運行管理者が再開可否を判断します。

▼参加者の回答▼

Q6回答

日常点検に革命!スマトラで業務の負担を軽減しませんか?

スマトラ見出し画像

株式会社タイガー(当社)からは新製品、日常点検アプリ「スマトラ」のご紹介をさせていただきました。

点呼と同様に重要なのが日常点検です。点検整備に起因する事故は過去10年で倍増しており、その重要性は増しています。日常点検の記録・保管は法的に義務付けられていませんが、点検行為そのものは義務です。

「スマトラ」は、スマートフォンを活用して日常点検をデジタル化・効率化し、日々の運行の安全性を高めるWebアプリケーションです。

3つの「みえる」点検:

見える点検の画像
  1. 教育動画がみえる: 点検項目ごとに正しい手順を動画で確認でき、教育レベルを平準化できます。
  2. 点検結果がみえる: 点検結果はクラウドに即時保存され、整備管理者がリアルタイムで確認可能。異常箇所は写真付きで報告できます。
  3. 点検時間がみえる: 各点検にかかった所要時間が記録され、点検業務の実態を把握できます。

3つの「まもる」未来:

守る点検の画像
  1. ドライバーの安全をまもる: 確実な点検で、整備不良による事故を未然に防ぎます。
  2. 会社の信用をまもる: 安全管理体制を強化し、企業の信頼性を向上させられます。
  3. 車両の寿命をまもる: 異常の早期発見・早期対処により、修理コストを削減し、車両寿命が延びます。

スマトラの特徴

車種ごとにテンプレート
  • 車種別テンプレート: 大型車、エアブレーキ搭載車など、車種に応じた点検項目を設定可能。
  • 時期に応じた点検: 週次、月次点検や、寒冷地仕様の冬季限定点検(スタッドレスタイヤ等)など、条件に応じた点検項目を表示できます。
  • 修理中車両管理: 修理中の車両をシステムに登録することで、ドライバーが誤って点検しようとした際に警告を表示し、無駄な作業を防ぎます。
  • WEBアプリなのでインストール不要。ブラウザさえあれば、Windows、Android、iPhoneどちらでも利用可能
  • データはクラウドサーバへリアルタイムに送信/閲覧が可能

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